12.CAD機械製図-図形の特殊な表し方
『 JIS B 3402 CAD機械製図 』において、CAD製図に用いられる図面に関して、CAD図面を製図する際の図形の特殊な表し方として、展開図示、中間部分の省略、対称図形の片側省略、限定した領域の指示、加工部の指示、加工前後の図形表示、隣接部品の図形表示、透明部品の図示、非剛性部品の図示などが、次のように例とともに規定されています。
(以下、引用)
【CAD図面の図形の特殊な表し方】
図形の特殊な表し方
加工方法、その他の理由から図形の特殊な表し方は、次による。
1.展開図示
板金加工部品で、板の曲げ加工前の展開形状を図示することができる。この場合、展開図形の付近に”展開図”と表示する(図25)。
図25 展開図示
2.中間部分の省略
長い形状の中間部分を省略することができる(図26)。
図26 中間部分の省略
3.対称図形の片側省略
対称図形の対称中心線の片側の図形だけを描き、その対称中心線の両端部に短い2本の平行細線(対称図示記号という。)を付けて示すことができる(図27)。
図27 対称図形の省略
4.限定した領域の指示
加工、処理などの領域は、太い一点鎖線で囲んで指示する(図28)。この場合、領域の大きさは、寸法を指示する。
なお、輪郭を表す外形線に沿って、外形線から少し離して、太い一点鎖線を引いて指示した場合には、その図形の投影関係から領域が決まる(図29)。
図28
図29
5.加工部の表示
溶接施工部、肉盛り部など、加工部の表示は、その部位を塗りつぶして行うことができる(図30)。
図30
6.加工前後の図形表示
加工前又は後の形状を図形表示する場合には、それを細い二点鎖線で示す(図31)。
図31 a)
図31 b)
7.隣接部品の図形表示
部品図及び組立図の中で隣接部品の図形表示は、細い二点鎖線で示す(図32)。
なお、断面図示をしたために取り除いた図形部分の図形の表示は、細い二点鎖線で示す(図33)。
図32 隣接部品の図形表示
図33 取り除いた図形部分の図形の表示
8.透明部品の図示
ガラス、フィルムなど、透明部品の図示は、不透明なものと仮定してする。
9.非剛性部品の図示
剛性のない部品は、重力方向で最もたわみの少ないように置いたときの状態で図示する。
この場合、重力方向を矢印を用いて図形の付近に示す(JIS B 0026)。
なお、非剛性部品の図示に関して引用されている、JIS B 0026 の規格は以下です。
JIS B 0026
製図―寸法及び公差の表示方式―非剛性部品