機械,建築,記号,用語,CAD,図面,三角法,製図用品等-JIS規格

 

13.CAD機械製図-寸法の記入方法



『 JIS B 3402 CAD機械製図 』において、CAD製図に用いられる図面に関して、CAD図面を製図する際の寸法の記入方法として、一般原則、寸法の記入、寸法補助記号、テーパなどが、次のように例とともに規定されています。

(以下、引用)


【CAD図面の寸法の記入方法】


寸法の記入
寸法の記入方法は、次による。


1.一般原則

a)
対象物の機能・製作・組立などを考えて、必要と思われる寸法を明りょうに図面に指示する。

b)
寸法は、対象物の大きさ、姿勢及び位置を最も明らかに表すのに必要で十分なものを記入する。

c)
対象物の機能上必要な寸法(機能寸法)は、必ず記入する。

d)
寸法は、寸法線・寸法補助線・寸法補助記号などを用いて、寸法数値によって示す。

e)
寸法は、なるべく主投影図に集中する。

f)
図面に示す寸法は、特に明示しない限り、その図面に図示した対象物の仕上がり寸法を示す。

g)
寸法は、なるべく計算して求める必要がないように記入する。

h)
寸法は、なるべく工程ごとに配列を分けて記入する。

i)
関連する寸法は、なるべく1か所にまとめて記入する。

j)
寸法は、必要に応じて基準とする点、線又は面を基にして記入する。

k)
寸法は、重複記入を避ける。

l)
寸法には、機能上(互換性を含む。)必要な場合、JIS Z 8318 によって寸法の許容限界を指示する。ただし、理論的に正しい寸法を除く。

m)
寸法のうち、参考寸法については、寸法数値に括弧を付ける。
備考:
参考寸法は、測定に用いてはならない。


2.寸法の記入
寸法の記入方法は、JIS Z 8317 による。
なお、長さ寸法は、ミリメートル(mm)の単位に基づいた数値を記入する。この場合、単位記号を付けない。また、メートル(m)の単位に基づいた数値を記入する必要がある場合には、そのことを注記する。
図34 直列寸法記入法による指示例
図34 直列寸法記入法による指示例
図35 並列寸法記入法による指示例
図35 並列寸法記入法による指示例
図36 累進寸法記入法による指示例
図36 累進寸法記入法による指示例
図37 直角座標寸法記入法による指示例
図37 直角座標寸法記入法による指示例
図38 極座標寸法記入法による指示例
図38 極座標寸法記入法による指示例


3.寸法補助記号
寸法補助記号は、表4 による。これらの記号は、円弧の長さの記号を除いて、寸法数値の前に寸法数値と同じ高さで付記する。ただし、円弧の長さの記号は、寸法数値のすぐ上側に付記する。
表4 寸法補助記号
( 直径 ) ⇒ (記号) : (呼び方)
直径 ⇒ φ : まる
半径 ⇒ R : あーる
球の直径 ⇒ Sφ : えすまる
球の半径 ⇒ SR : えすあーる
正方形の辺 ⇒ □ : かく
円弧の長さ ⇒ ⌒ : えんこ
板の厚さ ⇒ t : てぃー
45°の面取り ⇒ C : しー


4.テーパ
テーパに関する寸法指示方法は、JIS B 0028 による。


なお、寸法の許容限界の指示に関して引用されている JIS Z 8318 、寸法の記入に関して引用されている JIS Z 8317 及びテーパに関する寸法指示方法に関して引用されている JIS B 0028 の規格は以下です。

JIS Z 8317
製図−寸法記入方法−一般原則,定義,記入方法及び特殊な指示方法

JIS Z 8318
製図−長さ寸法及び角度寸法の許容限界記入方法

JIS B 0028
製図−寸法及び公差の表示方式−円すい