06.機械製図-線(種類,用途,太さ,優先順位)
『 JIS B 0001 機械製図 』において、機械製図に用いられる線の太さ、種類、用途、優先順位については、次のように規定されています。
(以下、引用)
【線】
図面に用いる線は、次による。
1.線の太さ
線の太さの基準は、0.13mm、0.18mm、0.25mm、0.35mm、0.5mm、0.7mm、1mm、1.4mm 及び 2mm とする。
2.線の種類及び用途
線は、線の用途によって 表6 のように用いる。その他の線の種類は、JIS Z 8312 によるのがよい。
なお、この表によらない線を用いた場合には、その線の用途を図面中に注記する。
3.線の優先順位
図面で2種類以上の線が同じ場所に重なる場合には、次に示す順位に従って、優先する種類の線で描く(図2 参照)。
a) 外形線
b) かくれ線
c) 切断線
d) 中心線
e) 重心線
f) 寸法補助線
図2
表6 線の種類及び用途
用途による名称: 外形線
線の種類(6): 太い線
線の用途:
対象物の見える部分の形状を表すのに用いる。
図3の照合番号: 1.1
寸法線
線の種類(6): 細い実線
線の用途:
寸法を記入するのに用いる。
図3の照合番号: 2.1
寸法補助線
線の種類(6): 細い実線
線の用途:
寸法を記入するために図形から引き出すのに用いる。
図3の照合番号: 2.2
引出線
線の種類(6): 細い実線
線の用途:
記述・記号などを示すために引き出すのに用いる。
図3の照合番号: 2.3
回転断面線
線の種類(6): 細い実線
線の用途:
図形内にその部分の切り口を90度回転して表すのに用いる。
図3の照合番号: 2.4
中心線線
線の種類(6): 細い実線
線の用途:
図形に中心線(4.1)を簡略に表すのに用いる。
図3の照合番号: 2.5
水準面線(4)
線の種類(6): 細い実線
線の用途:
水面、液面などの位置を表すのに用いる。
図3の照合番号: 2.6
かくれ線
線の種類(6): 細い破線又は太い破線
線の用途:
対象物の見えない部分の形状を表すのに用いる。
図3の照合番号: 3.1
中心線
線の種類(6): 細い一点鎖線
線の用途:
a)図形の中心を表すのに用いる。
b)中心が移動する中心軌跡を表すのに用いる。
図3の照合番号: a)⇒4.1、b)⇒4.2
基準線
線の種類(6): 細い一点鎖線
線の用途:
特に位置決定のよりどころであることを明示するのに用いる。
図3の照合番号: 4.3
ピッチ線
線の種類(6): 細い一点鎖線
線の用途:
繰返し図形のピッチをとる基準を表すのに用いる。
図3の照合番号: 4.4
特殊指定線
線の種類(6): 太い一点鎖線
線の用途:
特殊な加工を施す部分など特別な要求事項を適用すべき範囲を表すのに用いる。
図3の照合番号: 5.1
想像線(5)
線の種類(6): 細い二点鎖線
線の用途:
a)隣接部分を参考に表すのに用いる。
b)工具、ジグなどの位置を参考示すのに用いる。
c)可動部分を、移動中の特定の位置又は移動の限界の位置で表すのに用いる。
d)加工前又は加工後の形状を表すのに用いる。
e)図示された断面の手前にある部分を表すのに用いる。
図3の照合番号:
a)⇒6.1、b)⇒6.2、c)⇒6.3、d)⇒6.4、e)⇒6.5
重心線
線の種類(6): 細い二点鎖線
線の用途:
断面の重心を連ねた線を表すのに用いる。
図3の照合番号: 6.6
破断線
線の種類(6): 不規則な波形の細い実線又はジグザグ線
線の用途:
対象物の一部を破った境界、又は一部を取り去った境界を表すのに用いる。
図3の照合番号: 7.1
切断線
線の種類(6): 細い一点鎖線で、端部及び方向の変わる部分を太くしたもの(7)
線の用途:
断面図を描く場合、その断面位置を対応する図に表すのに用いる。
図3の照合番号: 8.1
ハッチング
線の種類(6): 細い実線で、規則的に並べたもの
線の用途:
図形の限定された特定の部分を他の部分と区別するのに用いる。
例えば、断面図の切り口を示す。
図3の照合番号: 9.1
特殊な用途の線
線の種類(6):
・細い実線
・極太の実線
線の用途:
・細い実線
a)外形線及びかくれ線の延長を表すのに用いる。
b)平面であることを示すのに用いる。
c)位置を明示又は説明するのに用いる。
・極太の実線
薄肉部の単線図示を明示するのに用いる。
図3の照合番号:
・細い実線のa)⇒10.1、b)⇒10.2、c)⇒10.3
・極太の実線⇒11.1
注(4)
JIS Z 8316 には、規定されていない。
注(5)
想像線は、投影法上では図形に現れないが、便宜上必要な形状を示すのに用いる。また、機能上・工作上の理解を助けるために、図形に補助的に示すためにも用いる。
注(6)
その他の線の種類は、JIS Z 8312 によるのがよい。
注(7)
他の用途と混用のおそれがないときは、端部及び方向の変わる部分を太くする必要はない。
備考:
細線、太線及び極太線の線の太さの比率は、1:2:4 とする。
図3 線の用法の図例(例2)
図3 線の用法の図例(例3)
図3 線の用法の図例(例4)
図3 線の用法の図例(例5)
図3 線の用法の図例(例6)
図3 線の用法の図例(例8)
図3 線の用法の図例(例9)
図3 線の用法の図例(例10)
上記で引用されている JIS Z 8312 の規格は以下になります。
JIS Z 8312
製図−表示の一般原則−線の基本原則