機械,建築,記号,用語,CAD,図面,三角法,製図用品等-JIS規格

 

17.機械製図-寸法補助記号(寸法記入方法)



『 JIS B 0001 機械製図 』においては、機械製図における図面の寸法記入方法の一つとして、寸法補助記号の表し方が、例とともに以下のように規定されています。
寸法補助記号の表し方としては、半径の表し方、直径の表し方、球の直径又は半径の表し方、正方形の辺の表し方、厚さの表し方、弦及び円弧の長さの表し方、面取りの表し方、曲線の表し方があります。

(以下、引用)


寸法補助記号の表し方(寸法記入方法)


半径の表し方
半径の表し方は、次による。

a)
半径の寸法は、半径の記号Rを寸法数値の前に寸法数値と同じ大きさで記入して表す[図120 a) 参照]。
ただし、半径を示す寸法線を円弧の中心まで引く場合には、この記号を省略してもよい[図120 b) 参照]。
図120 a)
図120 a)
図120 b)
図120 b)

b)
円弧の半径を示す寸法線には、円弧の側にだけ矢印を付け、中心の側には付けない(図120 参照)。
なお、矢印や寸法数値を記入する余地がないときは、図121 の例による。
図121 a)
図121 a)
図121 b)
図121 b)
図121 c)
図121 c)
図121 d)
図121 d)

c)
半径の寸法を指示するために円弧の中心の位置を示す必要がある場合には、十字又は黒丸でその位置を示す(図122 及び 図141 a) 参照)。

d)
円弧の半径が大きくて、その中心の位置を示す必要がある場合に、紙面などの制約があるときには、その半径の寸法線に折り曲げてもよい。この場合、寸法線の矢印の付いた部分は、正しい中心の位置に向いていなければならない(図122 参照)。
図122
図122
図141 a)
図141 a)

e)
同一中心をもつ半径は、長さ寸法と同様に累進寸法記入法を用いて表示できる(図123 参照)。
図123
図123

f)
実形を示していない投影図形に実際の半径を指示する場合には、寸法数値の前に”実R”(図124 参照)の文字記号を、展開した状態の半径を指示する場合には、”展開R”(図125 参照)の文字記号を記入する。
図124
図124
図125
図125

g)
半径の大きさが他の寸法から導かれる場合には、半径を示す矢印と数値なしの記号(R)によって指示する(図126 参照)。
図126 a)
図126 a)
図126 b)
図126 b)


直径の表し方
直径の表し方は、次による。

a)
対象とする部分の断面が円形であるとき、その形を図に表さないで、円形であることを示す場合には、直径記号Φを寸法数値の前に、寸法数値と同じ大きさで記入して示す[図127 及び 図129 a) 参照]。

b)
円形の図に直径の寸法を記入する場合で、寸法線の両端に端末記号が付く場合には、寸法数値の前に直径の記号Φは記入しない。ただし、引出線を用いて寸法を記入する場合には、記号Φを記入する[図128 及び 図129 a) 参照]。

c)
円形の一部を欠いた図形で寸法線の端末記号が片側の場合には、半径の寸法と誤解しないように、直径の寸法数値の前にΦを記入する[図128 及び 図170 参照]。
図127
図127
図128
図128

d)
円形の図及び側面図で円形が現れない図のいずれの場合でも、直径の寸法数値の後に明らかに円形になる加工方法が併記されている場合には、寸法数値の前に直径の記号Φは記入しない(図129、図144、図145、図147、図148、図150 及び 図170 参照)。
図129 a)
図129 a)
図129 b)
図129 b)
図144
図144
図145
図145
図147
図147
図148 a)
図148 a)
図148 b)
図148 b)
図148 c)
図148 c)
図150 a)
図150 a)
図150 b)
図150 b)
図170
図170

e)
直径の異なる円筒が連続していて、その寸法数値を記入する余地がないときは、図130 のように、片側に書くべき寸法線の延長線及び矢印を描き、直径の記号Φ及び寸法数値を記入する。
図130 a)
図130 a)
図130 b)
図130 b)


球の直径又は半径の表し方
球の直径又は半径の寸法は、その寸法数値の前に寸法数値と同じ大きさで、球の記号SΦ又はSRを記入して表す(図131 参照)。
図131 a)
図131 a)
図131 b)
図131 b)
図131 c)
図131 c)


正方形の辺の表し方
正方形の辺の表し方は、次による。

a)
対象とする部分の断面が正方形であるとき、その形を図に表さないで、正方形であることを表す場合8には、その辺の長さを表す寸法数値の前に、寸法数値と同じ大きさで、正方形の一辺であることを示す記号□を記入する(図132 参照)。

b)
正方形を正面から見た場合のように、正方形が図に表される場合には、正方形の一辺であることを示す記号□を付けずに、両辺の寸法を記入しなければならない(図133 参照)。
図132
図132
図133
図133


厚さの表し方
板の主投影図にその厚さの寸法を表す場合には、その図の付近又は図の中の見やすい位置に、厚さを表す寸法数値の前に、寸法数値と同じ大きさで厚さを示す記号 t を記入する(図134 参照)。
図134
図134


弦及び円弧の長さの表し方

a)弦の長さの表し方:
弦の長さは、弦に直角に寸法補助線を引き、弦に平行な寸法線を用いて表す(図135 参照)。

b)円弧の長さの表し方:
円弧の長さの表し方は、次による。
1)弦の場合と同様な寸法補助線を引き、その円弧と同心の円弧を寸法線とし、寸法数値の上に円弧の長さの記号を付ける(図136 参照)。
図135
図135
図136
図136
2)円弧を構成する角度が大きいとき[図117 a)]及び連続して円弧の寸法を記入するとき[図137 a) 参照]は、円弧の中心から放射状に引いた寸法補助線に寸法線を当ててもよい。
この場合で、二つ以上の同心円弧のうち、一つの円弧の長さを明示する必要があるときには、次のいずれかによる。
a)円弧の寸法数値に対し、引出線を引き、引き出された円弧の側に矢印を付ける[図137 a) 及び b) 参照]。
b)円弧の長さを表す寸法数値の後に、円弧の半径を括弧に入れて示す[図137 c) 参照]。この場合には、円弧の長さの記号を付けてはならない。
図137 a)
図137 a)
図137 b)
図137 b)
図137 c)
図137 c)


面取りの表し方
一般の面取りは、通常の寸法記入方法によって表す(図138 参照)。45°面取りの場合には、面取りの寸法数値×45°(図139 参照)又は記号Cを寸法数値の前に寸法数値と同じ大きさで記入して表す(図140 参照)。
図138 a)
図138 a)
図138 b)
図138 b)
図138 c)
図138 c)
図138 d)
図138 d)
図138 e)
図138 e)
図138 f)
図138 f)
図139 a)
図139 a)
図139 b)
図139 b)
図140 a)
図140 a)
図140 b)
図140 b)
図140 c)
図140 c)


曲線の表し方
曲線の表し方は、次による。

a)
円弧で構成する曲線の寸法は、一般にはこれらの円弧の半径とその中心又は円弧の接線の位置とで表す(図141 参照)。
図141 a)
図141 a)
図141 b)
図141 b)

b)
円弧で構成されない曲線の寸法は、曲線上の任意の点の座標寸法で表す[図142 a) 参照]。この方法は、円弧で構成する曲線の場合にも、必要があれば用いてもよい[図142 b) 参照]。
図142 a)
図142 a)
図142 b)
図142 b)