機械,建築,記号,用語,CAD,図面,三角法,製図用品等-JIS規格

 

07.機械製図-投影法・投影図/第三角法など



『 JIS B 0001 機械製図 』においては、機械製図に用いられる投影法・投影図について規定されています。投影図は、基本的には第三角法を用いるべきであることが規定されています。

(以下、引用)


【投影法】
投影図は、第三角法による。ただし、紙面の都合などで、投影図を第三角法による正しい配置に描けない場合、又は図の一部が第三角法による位置に描くと、かえって図形が理解しにくくなる場合には、第一角法又は相互の関係を矢印と文字を用いた矢示法を用いてもよい(JIS Z 8316 参照)。


1.投影図の名称
a 方向の投影=正面図
b 方向の投影=平面図
c 方向の投影=左側面図
d 方向の投影=右側面図
e 方向の投影=下面図
f 方向の投影=背面図
正面図(主投影図)が選ばれると、関連する他の投影図は、正面図及びそれらのなす角度が90°又は90°の倍数になる(図8 参照)。
図8
図8


2.第三角法
第三角法は、正面図(a) を基準とし、他の投影図は次のように配置する(図9 参照)。その場合には、図10 に示す投影法の記号を表題欄又はその近くに示す。

平面図(b) は、上側に置く。
下面図(e) は、下側に置く。
左側面図(c) は、左側に置く。
右側面図(d) は、右側に置く。
背面図(f) は、都合によって左側又は右側に置く。
図9 第三角法
図9 第三角法
備考:背面図の位置は、一例を示す。

図10 第三角法の記号
図10 第三角法の記号


3.第一角法
第一角法は、正面図(a) を基準とし、他の投影図は次のように配置する(図11 参照)。その場合には、図12 に示す投影法の記号を表題欄又はその近くに示す。

平面図(b) は、下側に置く。
下面図(e) は、上側に置く。
左側面図(c) は、右側に置く。
右側面図(d) は、左側に置く。
背面図(f) は、都合によって左側又は右側に置く。
図11 第一角法
図11 第一角法
備考:背面図の位置は、一例を示す。

図12 第一角法の記号
図12 第一角法の記号


4.矢示法
第一角法及び第三角法の厳密な形式に従わない投影図によって示す場合は、矢印を用いて様々な方向からみた投影図を任意の位置に配置することができる。
主投影図以外の各投影図は、その投影方向を示す矢印及び識別のために大文字のローマ字で指示する。
その文字は、投影の向きに関係なくすべて上向きに明りょうに書く。
指示された投影図は、主投影図に対応しない位置に配置してもよい。投影図を識別するローマ字の大文字は、関連する投影図の真下か真上のどちらかに置く。一枚の図面の中では、参照は同じ方法で配置する。
その他の指示は必要ない(図13 及び 図14 参照)。
図13
図13

図14 矢示法の例
図14 矢示法の例
備考:
図14 a) は、投影法を示すための図であり、製図では部分的に省略される場合もある。


5.その他の投影法
対象物の形状を理解しやすくする目的などから、立体図を描く必要がある場合は、等角投影、斜投影、透視投影などを用いて描く。等角投影、斜投影による製図は、JIS Z 8315-3、透視投影による製図は JIS Z 8315-4 による。


上記の規定で引用されている JIS規格は以下になります。

JIS Z 8315-3
製図−投影法−第3部:軸測投影

JIS Z 8315-4
製図−投影法−第4部:透視投影

JIS Z 8316
製図−図形の表し方の原則