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08.機械製図-投影図の表し方



『 JIS B 0001 機械製図 』においては、機械製図における投影図の表し方に関して、その一般原則、主投影図、部分投影図、局部投影図、部分拡大図、回転投影図、補助投影図などの表し方が、例とともに以下のように規定されています。

(以下、引用)


投影図の表し方


1.一般原則
a)
最も対象物の情報を与える投影図を、主投影図又は正面図とする。
b)
他の投影図(断面図を含む)が必要な場合には、あいまいさがないように、完全に対象物を規定するのに必要、かつ、十分な投影図や断面図の数とする。
c)
可能な限り隠れた外形線やエッジを表現する必要のない投影図を選ぶ。
d)
不必要な細部の繰り返しを避ける。


2.主投影図

a)
主投影図には、対象物の形状・機能を最も明りょうに表す面を描く。
なお、対象物を図示する状態は、図面の目的に応じて、次のいずれかによる。
1)組立図など、主として機能を表す図面では、対象物を使用する状態。
2)部品図など、加工のための図面では、加工に当たって図面を最も多く利用する工程で、対象物を置く状態(図15 及び 図16 参照)。
図15 旋削の場合の例
図15 旋削の場合の例
図16 平削りの場合の例
図16 平削りの場合の例
3)特別の理由がない場合には、対象物を横長に置いた状態。

b)
主投影図を補足する他の投影図は、できるだけ少なくし、主投影図だけで表せるものに対しては、他の投影図は描かない(図17 参照)。
図17
図17

c)
互いに関連する図の配置は、なるべくかくれ線を用いなくて済むようにする(図18 参照)。ただし、比較参照することが不便になる場合には、この限りではない(図19 参照)。
図18
図18
図19
図19


3.部分投影図
図の一部を示せば足りる場合には、その必要な部分だけを部分投影図として表す。この場合には省いた部分との境界を破断線で示す(図20 参照)。ただし、明確な場合には、破断線を省略してもよい。
図20
図20


4.局部投影図
対象物の穴、溝など一局部だけの形を図示すれば足りる場合には、その必要部分を局部投影図として現す。投影関係を示すためには、主となる図に中心線、基準線、寸法補助線などで結ぶ(図21 及び 図222 参照)。
z図21
図21
図22
図22


5.部分拡大図
特定部分の図形が小さいために、その部分の詳細な図示や寸法の記入ができないときは、その該当部分を別の箇所に拡大して描き、表示の部分を細い実線で囲み、かつ、英字の大文字で表示するとともに、その文字及び尺度を付記する(図23 参照)。ただし、拡大した図の尺度を示す必要がない場合には、尺度の代わりに”拡大図”と付記してもよい。
図23
図23


6.回転投影図
投影図に、ある角度をもっているために、その実形が表れないときには、その部分を回転して、その実形を図示することができる[図24a) 及び 図24b)]。
なお、見誤るおそれがある場合には、作図に用いた線を残す[図24c)]。
図24a)
図24a)
図24b)
図24b)
図24c) 作図に用いた線を残した例
図24c) 作図に用いた線を残した例


7.補助投影図
傾斜部がある対象物で、その斜面の実形を表す必要がある場合には、次によって補助投影図で表す。

a)
対象物の斜面の実形を図示する必要がある場合には、その斜面に対向する位置に補助投影図として現す(図25 参照)。
この場合、必要な部分だけを部分投影図又は、局部投影図で描いてもよい。
図25
図25

b)
紙面の関係などで、補助投影図を斜面に対向する位置(図25参照)に配置できない場合には、矢示法を用いて示し、その旨を矢印及び英字の大文字で示す[図26a)]。ただし、図26b) に示すように、折り曲げた中心線で結び、投影関係を示してもよい。
図26a)
図26a)
図26b)
図26b)
補助投影図(必要部分の投影図も含む。)の配置関係が分かりにくい場合には、表示の文字のそれぞれに相手位置の図面の区域の区分記号を付記する(図27 参照)。
図27
図27
備考:
格子参照方式(JIS Z 8311 参照)によって、参照文字を組み合わせた区分記号(E-7)は、補助投影の描かれている図面の区域を示し、区分記号(B-2)は、矢印の描かれている図面の区域を示す。


上記の規定で引用されている JIS規格は以下になります。

JIS Z 8311
製図−製図用紙のサイズ及び図面の様式