15.機械製図-寸法数値(寸法記入方法)
『 JIS B 0001 機械製図 』においては、機械製図における図面の寸法記入方法の一つとして、寸法数値の記入の仕方が、例とともに以下のように規定されています。
(以下、引用)
【寸法数値(寸法記入方法)】
a)
長さの寸法数値は、通常はミリメートルの単位で記入し、単位記号は付けない。
b)
角度の寸法数値は、一般に度の単位で記入し、必要がある場合には、分及び秒を併用することができる。度、分、秒を表すには、数字の右肩にそれぞれ °、′、″ を記入する。
例:
90° 22.5° 6°21′5″(又は6°21′05″) 8°0′12″(又は8°00′12″) 3′21″
また、角度の寸法数値をラジアン単位で記入する場合には、その単位記号 rad を記入する。
例:
0.25rad 、(π/3)rad
c)
寸法数値の小数点は下の点とし、数字の間を適当にあけて、その中間に大きめに書く。また、寸法数値のけた数が多い場合、3けたごとに数字の間を適当にあけ、コンマを付けない。
例:
123.25 、12.00 、22 320
d)
寸法数値を記入する位置及び向きは、特に定める累進寸法記入法の場合を除き、次のいずれかによる。一般には、方法1 を用いる。
なお、この二つの方法は、同一の図面内では混用してはならない。また、一連の図面においても混用しないことが望ましい。
1)方法1
寸法数値は、水平方向の寸法線に対しては図面の下辺から、垂直方向の寸法線に対しては図面の右辺から読めるように書く。斜め方向の寸法線に対してもこれに準じて書く(図98、図99 及び 図100 参照)。寸法数値は、寸法線を中断しないで、これに沿ってその上側にわずかに離して記入する。この場合、寸法線のほぼ中央に書くのがよい(図98 参照)。
図98 a)
図98 b)
図99 長さ寸法の場合
図100 a) 角度寸法の場合
図100 b) 角度寸法の場合
垂直線に対し左上から右下に向かい約30°以下の角度をなす方向には寸法線の記入を避ける[図101 a) 参照]。ただし、図形の関係で記入しなければならない場合には、その場所に応じて、紛らわしくないように記入する[図101 b) 及び 図101 c) 参照]。
図101 a)
図101 b)
図101 c)
2)方法2
寸法数値は、図面の下辺から読めるように書く。水平方向以外の方向の寸法線は、寸法数値を挟むために中断し、その位置は、寸法線のほぼ中央とするのがよい(図102 及び 図103 参照)。
図102 a) 長さ寸法の場合
図102 b) 長さ寸法の場合
図103 角度寸法の場合
e)
寸法数値を表す一連の数字は、図面に描いた線で分割されない位置に書くのがよい[図104 a) 参照]。
f)
寸法数値は、線に重ねて記入してはならない。ただし、やむを得ない場合には、引出線を用いて記入する[図104 b) 参照]。
図104 a)
図104 b) 引出線による例
g)
寸法数値は、寸法線の交わらない箇所に記入する(図105 参照)。
図105
h)
寸法補助線を引いて記入する直径の寸法が対称中心線の方向に幾つも並ぶ場合には、各寸法線はなるべく同じ間隔に引き、小さい寸法を内側に、大きい寸法を外側にして寸法数値をそろえて記入する[図106 a) 参照]。ただし、紙面の都合で寸法線の間隔が狭い場合には、寸法数値を対称中心線の両側に交互に記入してもよい[図106 b) 参照]。
図106 a)
図106 b)
i)
寸法線が長くて、その中央に寸法数値を記入すると分かりにくくなる場合には、いずれか一方の端末記号の近くに片寄せて記入することができる(図107 参照)。
図107
j)
寸法数値の代わりに、文字記号を用いてもよい。この場合、その数値を別に表示する(図108 及び 図109 参照)。
図108
図109